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写真家 岡田敦 - Office Okada | Official Blog

I kiss the world by taking the photograph

■ 『産経新聞』2010年7月13日 / 篠原知存

アップル社の多機能情報端末「iPad(アイパッド)」向けの写真集アプリ(ソフト)が続々と発売されている。電子書籍の動向を占う存在として出版業界で注目を集めるiPad。既存のスマートフォン(多機能携帯端末)より画面が広がったことは、もちろん活字媒体にもメリットだが、写真や絵画、デザインの出版関係者にはより衝撃的だった。紙の写真集に近いサイズで楽しめるようになり、写真家や出版社は「世界に向けて発信するプラットホーム(土台)になるのでは」と期待している。

写真家の岡田敦さん(30)は、iPadの国内発売に合わせて写真集『ataraxia(アタラクシア)』(岡田敦・伊津野重美著、青幻舎、3360円)をデジタル向けに再編集した専用アプリ『ataraxia[photo theater]』(600円)をリリースした。守時タツミさんの作曲した音楽に合わせてスライドショーが展開する。

ほぼ同じ内容で「iPhone(アイフォーン)」用(450円)も販売中だったが、「映画をDVDで見るのと映画館で見るぐらい感覚が違う。iPadは想像した以上に表現力が優れていた」。写真におけるイメージサイズは、本質的な表現のひとつ。解像度を上げて、画面のトリミングもやり直したという。

「写真集や写真展に加えて、もう一つメディアができたと思っている。単純にデータを移すのではなくて、どう表現すればいいかを考えた。アプリをきっかけに、写真集に興味を持ってほしい」と話す。

オンラインで世界同時に発売するアプリという手法は、言語やマーケットの壁といった“出版界の常識”を打ち破る可能性も秘めている。

人気写真家、三好和義さんの写真集「楽園」をiPad用アプリとして無料公開したウィブックスの倉持太一代表(50)は、「この大きさなら価値はある。デジタル写真集として成立する。無料にしたのは『志』です」と語る。

海外マーケットへのPRが狙い。第1弾には小笠原諸島の風景写真を収めているが、英語版のiPad上では、プロフィルや写真説明が英語で表示される。シリーズ化して、三好さん以外の写真家も順次登場させている。

「写真や絵画は世界言語なのに、世界各国で作品集を出せる写真家というのは内外を問わずほとんどいない。日本にも世界中の人に見てもらいたい写真家がたくさんいる。現状に風穴を開けられるチャンスになるかもしれない」

デジタルフォトフレーム(電子写真立て)としても使えるiPad。商売になるかどうかはともかく、写真の可能性を広げるメディアであるのは間違いない。写真家や出版社の今後の試みに注目したい。(篠原知存)



■ 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/100713/art1007130801000-n1.htm

■ App Store / ataraxia
http://itunes.apple.com/jp/app/ataraxia-photo-theater/id364948702?mt=8#
  1. 2010/07/14(水) 00:00:00|
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