アップル社の多機能情報端末「iPad(アイパッド)」向けの写真集アプリ(ソフト)が続々と発売されている。電子書籍の動向を占う存在として出版業界で注目を集めるiPad。既存のスマートフォン(多機能携帯端末)より画面が広がったことは、もちろん活字媒体にもメリットだが、写真や絵画、デザインの出版関係者にはより衝撃的だった。紙の写真集に近いサイズで楽しめるようになり、写真家や出版社は「世界に向けて発信するプラットホーム(土台)になるのでは」と期待している。
写真家の岡田敦さん(30)は、iPadの国内発売に合わせて写真集『ataraxia(アタラクシア)』(岡田敦・伊津野重美著、青幻舎、3360円)をデジタル向けに再編集した専用アプリ『ataraxia[photo theater]』(600円)をリリースした。守時タツミさんの作曲した音楽に合わせてスライドショーが展開する。
ほぼ同じ内容で「iPhone(アイフォーン)」用(450円)も販売中だったが、「映画をDVDで見るのと映画館で見るぐらい感覚が違う。iPadは想像した以上に表現力が優れていた」。写真におけるイメージサイズは、本質的な表現のひとつ。解像度を上げて、画面のトリミングもやり直したという。
「写真集や写真展に加えて、もう一つメディアができたと思っている。単純にデータを移すのではなくて、どう表現すればいいかを考えた。アプリをきっかけに、写真集に興味を持ってほしい」と話す。
オンラインで世界同時に発売するアプリという手法は、言語やマーケットの壁といった“出版界の常識”を打ち破る可能性も秘めている。
人気写真家、三好和義さんの写真集「楽園」をiPad用アプリとして無料公開したウィブックスの倉持太一代表(50)は、「この大きさなら価値はある。デジタル写真集として成立する。無料にしたのは『志』です」と語る。
海外マーケットへのPRが狙い。第1弾には小笠原諸島の風景写真を収めているが、英語版のiPad上では、プロフィルや写真説明が英語で表示される。シリーズ化して、三好さん以外の写真家も順次登場させている。
「写真や絵画は世界言語なのに、世界各国で作品集を出せる写真家というのは内外を問わずほとんどいない。日本にも世界中の人に見てもらいたい写真家がたくさんいる。現状に風穴を開けられるチャンスになるかもしれない」
デジタルフォトフレーム(電子写真立て)としても使えるiPad。商売になるかどうかはともかく、写真の可能性を広げるメディアであるのは間違いない。写真家や出版社の今後の試みに注目したい。(篠原知存)
■ 産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/100713/art1007130801000-n1.htm■ App Store / ataraxia
http://itunes.apple.com/jp/app/ataraxia-photo-theater/id364948702?mt=8#
- 2010/07/14(水) 00:00:00|
- 写真集「ataraxia」関連
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『ataraxia』 / Publicity■ 「千葉日報」(2010年3月22日/安原直樹)
リストカッターたちを写した衝撃作「Iam」(赤々舎)は、第33回木村伊兵衛賞受賞から2年近く経たいまも記憶に鮮明に残る。若者たちの手首に無数に刻まれた傷跡は「生」の中に存在する「死」、「死」の中に存在する「生」を悲痛に叫んでいる。岡田は被写体との間に緊張関係を築きながら、魂の叫びをフィルムに焼き付ける。そんな鋭い観察眼を持った写真家の受賞後第一作だ。
この本は歌人、伊津野重美との合作。タイトルは古代ギリシャの哲学者エピクロスの思想で、外的なものにとらわれない精神的快楽を意味するといい、岡田はここでは受賞作の外から内ではなく、内から外へと表現手法を変えている。
歌人の精神世界が広がっていく。長時間露光によって蒼(あお)い海に白い波が雲のごとく渦巻く。神秘的な美しさが底なしの静謐(せいひつ)をたたえている。なぜか既視感を伴った居心地のよさを感じる。蒼い海が母胎に似た安らぎを与えるからだろう。「薄羽をもがれ…」。傷ついた歌人が海に身を委ね、ゆっくりとまどろむ。
伊津野のつむいだ言葉が、写真の一枚一枚を招き寄せる。岡田がシャッターを切った瞬間に歌人の内宇宙が二次元の像を結ぶ。その映像の大海を遠泳していると、息継ぎするのも忘れるほどの快感に酔う。つまり、結像後が私たち見る側の精神的快楽の出発点となるのだ。
中盤に生命の輝きがほとばしる。満開に咲き誇るマンジュシャゲ。画面いっぱいに枝を張った大イチョウ。紅と黄が太陽の光を浴びて、命の限りを燃やし尽くす。
「ほとばしる声波光ほとばしる…」
風に揺れるススキ野原で、歌人がもろ手を挙げて天空を仰いでいる。現世の苦痛と快楽を乗り越え、命に対して敬虔(けいけん)な祈りの心境を、ハイキー調で表している。岡田の目は常に人の外皮を透過して内奥を見つめ、そして手は時に意図的な技法によって、精神世界を視覚化するのである。
(文化部/安原直樹)
■ 「毎日新聞」(2010年3月21日/日曜朝刊/北海道紙面)
岡田敦、伊津野重美・著「ataraxia(アタラクシア)」(青幻舎 電話075・252・6766)
岡田は稚内市出身の気鋭の写真家。リストカットの若者たちをとらえた「I am」で08年に木村伊兵衛写真賞を受賞した。今回は受賞後の第一作。歌人、伊津野重美とのコラボレーションで、前作とは一変して耽美(たんび)な世界を醸し出す。
「アタラクシア」は古代ギリシャの哲学者エピクロスの思想。外的なものにとらわれない精神的な快楽を意味するという。
海や山、森、花畑、雪原……。一人の女性がたびたび登場し、風景と一体化しつつも、その存在感が浮かび上がってくる。
ススキが一面に広がる草原で、両手を掲げ、祈るかのように空を見上げる女性。「精神的幸福とは、祈りの心境に近いのかもしれない」と岡田。ページをめくるごとに、命の輝きとともに危うさをもを感じさせる。(76ページ、定価3360円)
■ 「カタリココ」(2010年3月17日/大竹昭子)
昨夜はナディッフアパートの上にあるマジックルーム???で岡田敦さんとのトークショーがありました。カフェ・ラウンジで深々したソファーに座って、いつものトークショーとはちがう雰囲気ではじまりましたが、ちがったのはそれだけではありません。相手の岡田さんがこれまで体験したことのないほど寡黙な方だったのです!
とても意外でした。木村伊兵衛賞を受賞した『I am』はリストカットしている人々がカメラの前で傷口や裸体をさらけ出した社会性の強い作品で、そこから想像したのは、社会にむかって何かを語ろうとする写真家の姿でした。ところが目の前の岡田さんはあまり物を言わない。もちろん質問には答えてくださるのですが、とてももどかしそうにゆっくりと話し、まるで別の時間を生きているような雰囲気なのです。その姿に接してさまざまな謎が一気に解けました。
『I am』は自傷行為という社会問題が撮られているので、写真で何かを訴えかけようとしているように見えますが、そうではない。彼は撮ることで理解を超えたものを自分のなかに取り込み、化学変化を起こさせようとしたのです。
最新刊の『Ataraxia』(青幻舎)はひとりの女性が自然の風景に融和していく至福の感覚を映像化した写真で、前作とまったく趣がちがいますが、自分を問おうとする意識の強い作家であれば、当然ながら内的世界の探求にも関心が向くでしょう。それが結実したのが『Ataraxia』であり、ふたつはいわば表裏一体の関係にあるのです。
生身の人間に会うことの説得力をこれほど強く感じたのははじめてでした。終了後、近くで打ち上げをしましたが、そこでの岡田さんはトークのときよりは少し饒舌で、目をきらきらさせてとても楽しそうでした。
「大竹昭子のカタリココ」より
http://katarikoko.blog40.fc2.com■ 「産経新聞」(2010年3月16日/火曜朝刊/篠原知存)
『ataraxia』を刊行した岡田敦さん
東京・恵比寿で記念写真展詩人・伊津野さんとのコラボ「作品が作品を深めてくれる」
写真家の岡田敦さん(30)が写真集『ataraxia(アタラクシア)』(青幻舎)の刊行を記念した写真展を東京・恵比寿のナディッフアパートで開催している。第33回木村伊兵衛賞受賞作『I am』から大きく飛躍した新作に込めた思いを聞いた。
「僕としては、そんなに違いはない。どちらが自分に近いかといえば今回のほう。それぐらいの感覚です」
前作はリストカットした若者たちのジャーナリスティックなポートレート。今回は詩人の伊津野重美(いつの・えみ)さんとのコラボレーションによる耽美(たんび)的な風景写真。ただし本人は「僕のなかでは美しさと怖さの両極を含んでいる写真で、じつは同じもの」だという。あえて言えば、前作の方が意識的にコントロールした部分は多かったそうだ。
「リストカット写真家と呼ばれる覚悟もしてましたし、実際に危ない人と思われてしまって…。今回の作品も、もっと早く作れたと思う。ただ、20代で出しても説得力がない。(前作で)世の中で光の当たっていないものを見つめる。そういう遠回りが必要だったと思えます」
ある作品が高い評価を受けると、いろいろな意味で次作は難しくなるものだが、軽々と飛び越えた印象がある。作りたいもの、作れるものを冷静に見つめている。
「作品が作品を深めてくれると信じている。もちろん作品一つ一つは100%の完成品ですが、もう少し長いスパンで評価も変わっていくもの。個々の作品が連なっていくと、円のようになって、そのなかに大事なものが見えてくるイメージですね」
写真集という表現手段にこだわっている。早くもあと2、3作の構想がわいているそうだ。「撮りたいものが、自分のなかでどんどんクリアになっている気がしています」
写真集からプリントした10数点を展示。同アパートで31日まで、4階のカフェ「マジックルーム」では18日まで開催。17日午後6時半からは写真評論家、大竹昭子さんと岡田さんとのトークショーが開かれる。
問い合わせはTEL03・3446・4977。
(文化部/篠原知存)
■ 『pen』(2010年3月1日発売号/浅井慎平)

若い日のことを想い出している。
岡田敦の写真集『ataraxia』のページをめくりながら、過ぎ去った日々がオーバーラップした。何故なのかよく解らないが、ひとつの理由は岡田が撮影し、紙の上に残したものから立ち上がってくる空気感だと思う。
岡田のまなざしの行方、いや、まなざし以前、彼をとりまく世界は、そこに岡田がいることで温度や色や距離が独特の世界になってしまうということだ。この感覚はたぶん岡田が生まれた時から持っていた。だから、このオリジナリティは写真家にとってかけがえのない財産だ。だからといって岡田がその独自の才能に溺れているというわけではない。
ぼくが「若い日のことを想い出している」と書き始めたのは、この写真集でも何か、ぼくがそうであったように苦悩していることが解るからだ。
苦悩という言葉はふさわしくないのかも知れない。深い思索の果てと云い変えてもいい。このふたつの言葉で、いくらかぼくの気持ちが伝わるかは自信がないが。
空気感は存在するものの証しのひとつなので、そのことを紙の上に残したいと思うことは写真家の条件だ。
思索や苦悩と空気感がどう繋がっているのかといわれそうだが、世界を感じる力を持たないものに空気は撮れないからとこたえておこう。
このように書きながら、ぼくは久しぶりに混乱している。
窓の外に、暗く冷たい雨が降っている。
この混乱は若い日に似ている。こたえのないものに向かっている感覚。永遠というもののもつ希望と絶望を「こころの平穏」と名づけて岡田はぼくたちに突きつけてきた。
写真家 浅井慎平
■ 「北海道新聞」(2010年2月21日/日曜朝刊)
著者は稚内市に生まれ札幌市で育ち、現在は東京に住む30歳の写真家。2008年に第33回木村伊兵衛写真賞を受賞した前作『I am』に次ぐ、4冊目の写真集。もともと得意とするアートな領域から発信した。
「ataraxia」は「平静な心の状態」を意味するギリシャ語。著者は前作で、リストカットと呼ばれる手首を切る自傷行為を繰り返す若い女性などを撮り、そこで受け止めた痛々しい葛藤の行き場を探したという。
1人の女性が薄紫色のドレスを着たまま湖面に漂っている。透き通るような白肌。まるで生死の境を漂っているかのようだ…。別のカットではこの女性が黒いドレスに身を包んで、しばれ上がった白い森の中で天を仰いでいる。
「物質的欲望や肉体的快楽を超えた、精神的な幸福とは何かを見つめていくと、祈りのような世界に行きついた」。切り取られた世界のBGMには確かに聖歌が合う。
■ 「産経新聞」(2010年2月20日/土曜朝刊/篠原知存)

【写真集】岡田敦「ataraxia」
岡田敦の新作は耽美(たんび)的だ。ページを繰ると、濃密で鮮やかな色彩が踊る。打ち寄せる波の深い青、彼岸花の強烈な赤、降り積もったイチョウの黄色。歌人の伊津野重美(いつのえみ)とのコラボレーションで、独特の詩的世界を描き出した。
リストカットする若者を写した木村伊兵衛賞の受賞作「I am」からずいぶん飛躍したようにみえるが、繰り返し眺めるうちに深い部分でつながっているようにも思えてきた。タイトルのアタラクシアは「平静な心の状態」という意味。伊津野が詠(うた)う。《薄羽をもがれ吹かれて辿り着くataraxiaに遍し光》。それは切実な祈りに聞こえる。(青幻舎・3360円)
(文化部/篠原知存)

■ 「日本経済新聞」(2010年2月7日/日曜朝刊)
アタラクシア 岡田敦・伊津野重美 著
アタラクシアとは、古代ギリシャの哲人エピクロスが理想に掲げた「心の平静」を示す精神的快楽世界のこと。2007年度の木村伊兵衛賞を受賞した写真界の若き俊才・岡田敦が、その境地を四季の鮮やかな彩りの中に視覚化して見せた写真集。波にたゆたい、雪原に天を仰ぎ、イチョウに抱かれて眠る女性の姿は、自然との一体感がもたらす安らぎの象徴だろうか。歌人・伊津野重美の歌がイメージを深めている。(青幻舎・3200円)
■ 『Houyhnhnm Magazine』フイナムマガジン フォトギャラリー♯29 岡田 敦2010年1月6日、1月13日、1月20日、1月27日、毎週水曜日更新
http://www.houyhnhnm.jp/magazine.html画面右下「フォトギャラリー♯29 岡田 敦 p.09」をクリック
■ 「北海道新聞」(2010年1月8日)
岡田敦さん 聖書にも似た祈りの世界
薄紫色の湖面に妖しく浮かぶ女性。雪景色に砂浜に吸い寄せられる女性。
暗い森のこけむした老木・・・
すべて自然光で撮ったという作品群からは、人間由来の雑音は聞こえてこない。
人間は自然の一部というイメージが伝わっってくるようだ。
作品に登場する女性は歌人の伊津野重美さん。
「伊津野さんは優れた言葉の表現者ですが、同時に、僕が撮りたいと思うけれど
言葉にならないイメージを共有してくれる貴重な存在」。
■ 『東京カレンダー』 (2010年2月号/星野智之)
風景は色彩をして詩を語らしむ
木村伊兵衛賞作家の静謐な挑戦“写真界の芥川賞”ともいわれる木村伊兵衛写真賞を受賞した前作の
『I am』から約2年半。気鋭の写真家・岡田敦の新作写真集が
上梓される。アタラクシア―心の平穏と題された、
その全編にみなぎる静かなリリシズム。世界はこれほどまでに美しい。岡田敦の木村伊兵衛写真賞受賞第1作となる写真集『ataraxia』に
収録される幾葉かの写真を見ていると、そんな子どもじみた感慨が胸に萌すのを
抑えることができない。
―ドウスレバ、コンナニキレイニトレルノ? 湖水の青、花弁の赤、樹林の緑、落葉の黄……
そこではすべての色彩が鮮烈で深遠だ。美しいプリントの写真家といえば、例えば
“色彩の魔術師”とも称されたエルンスト・ハースなどが思い浮かぶが、岡田敦の色は
もちろんそれとも違う。風景の中に隠された美しい色を抽出したという感覚ではなく、
そこでは風景が美しい色という光の集合体に還元されてしまったのような印象。
世界は明確な形を失い(あるいは明確な形というくびきから開放され)
溶け出すようにゆらゆらと漂流を始める。
だから作品中に置かれた人物もまた、そのどこまでもただ美しい世界をたゆたう。
アタラクシアとは、古代ギリシアの思想家、エピクロスが人生の目的に据えた
“平静な心”を指す言葉だが、岡田敦が提示して見せた、ただ色彩に還元されてたゆたう
世界像は、その静謐の哲学にふさわしい。
そして同時にこれは、作家にとって劇的な転回でもある。いや、少なくとも
前作『I am』のイメージで岡田敦を捉えていた人間にはそう見えるはずだ。
木村伊兵衛写真賞を受賞することとなったあの写真集は、リストカットという
キズを持つ女性など約50人のポートレート集だったが、そこでは色彩を
拒否するように被写体はただ白いホリゾントの前に、その多くは身体を覆う
1枚の衣服もなく、ただ立っていた。色彩の中を漂う今作は、いわばネガと
ポジのように、まるで正反対の世界ではないか。
『I am』に収録された写真を撮っていたころは、毎晩、一升瓶が空くくらいに
焼酎を飲んでいた―そんな話を以前、岡田敦本人に聞いたことがあった。
フラジャイル(壊れやすいもの)である彼女たちと向き合うことは、
作家自身をも傷つけるギリギリの作業であり、そのキズの痛みを麻痺させる
ために大量のアルコールが必要だった、ということだろう。
そんな苦闘を経て写真家が見つけ出した新しい世界―アタラクシア。
すべてが静かで美しい。ドウスレバ、コンナニキレイニトレルノカナ。
(記事掲載文より抜粋)

■ 『デジカメWatch』(写真展リアルタイムレポート/2009年12月8日/市井康延)
昨年、木村伊兵衛写真賞にえらばれた岡田敦さんの受賞後第一作だ。
「聖書のような世界が作りたかった」というこの作品は、静謐な美しさに
満ちたイメージが捉えられている。
この作品を見ると、彼がデビュー作となった「Platibe」以来ピュアな視線で
「生命の存在感」を取り続けてきた写真家だということがよく分かる。
富士フォトサロン新人賞でPlatibeを選んだ写真家の藤井保さんは、
「恐ろしさと美しさの同居した写真」と形容したが、そのテイストは
彼のすべての作品に通底しているのだ。-以下続く-
(記事掲載文より抜粋)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/culture/exib/20091208_334181.html ■ 『週刊新潮』(2009年12月10日号)
気鋭「岡田敦」の「I am」から「ataraxia」へ作品の中に潜むのは、“光”や“祈り”の世界。そして精神的幸福―。
写真家・岡田敦氏の個展「ataraxia」が、東京・新宿の
「Bギャラリー」で開催されている。(12月25日まで。入場無料)。
12月下旬の最新作『ataraxia(アタラクシア)』(青幻舎)の
発売に先駆けて、未発表の22点を展示している。
『ataraxia』とは、“平静な心の状態”を意味するギリシャ語だ。
02年に若手写真家の登竜門「富士フォトサロン新人賞」を受賞して注目され、
“生と死”をテーマに約50人の若者の裸体やリストカット跡などを写した
衝撃作 『I am』で、昨年3月には、“写真集の芥川賞”と呼ばれる
木村伊兵衛写真賞を受賞している。
前作が“動”であれば、今回は“静”。岡田氏は、その変化を、こう語っている。
「精神的幸福とは、祈りの心境に近いのかもしれない。前作をつくり終えてから、
そんなことを考えていた。今回の展示は、“ひとつの作品をつくり終えた”
という感覚よりも“ここから始まる”という感覚のほうが強い」
(記事掲載文より抜粋)
■ 『TOKYO ART BEAT』http://www.tokyoartbeat.com/event/2008/1B27.en■ 掲載誌一覧□ 「千葉日報」(2010年3月22日/安原直樹)□ 「毎日新聞」(2010年3月21日/日曜朝刊/北海道紙面)□ 『CAPA』(2010年4月号)□ 「カタリココ」(2010年3月17日/大竹昭子)□ 「産経新聞」(2010年3月16日/火曜朝刊/篠原知存)□ 『pen』(2010年3月1日発売号/浅井慎平)□ 「北海道新聞」(2010年2月21日/日曜朝刊)□ 「産経新聞」(2010年2月20日/土曜朝刊)□ 『ファットフォト』(2010年3月号)□ 『コマーシャルフォト』(2010年2月16日発売号)□ 『メンズジョーカー』(2010年2月10日発売号)□ 「日本経済新聞」(2010年2月7日/日曜朝刊)□ 「美術手帖」(2010年2月号)□ 「北海道新聞」(2010年1月8日/金曜夕刊/土屋孝浩)□ 『Houyhnhnm Magazine』フォトギャラリー♯29(2010年1月6日、1月13日、1月20日、1月27日更新)□ 『東京カレンダー』(2010年2月号/12月21日発売/星野智之)□ 「北海道新聞」(土屋孝浩)□ 『週刊新潮』(大谷剛)□ 「デザインの現場」□ 「デジカメWatch」(市井康延)□ 「朝日マリオン・コム」□ 『母の友』(高松夕佳)□ 「Public-image.org」□ 「TOKYO ART BEAT」□ 「BEAMS JAPAN」□ 「excite.ism」□ 「excite」□ 『Pen』□ 『日本カメラ』(2010年1月号/展覧会情報)□ 『東京カレンダー』(2010年1月号/11月21日発売/福田祥子)
- 2010/05/01(土) 00:00:05|
- 写真集「ataraxia」関連
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写真家・岡田敦 & 音楽家・守時タツミ トークイベント開催 !!
写真集『ataraxia』×『ataraxia [photo theater]』日時:4月23日(金)20時スタート 入場無料
場所:
TSUTAYA TOKYO ROPPONGI(TSUTAYA東京六本木)住所:〒106-0032 東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズ六本木けやき坂通り
詳細:http://okadaatushi.blog115.fc2.com/
問い合わせ先:03-5775-1515(TSUTAYA東京六本木)
☆ イベント終了後、写真集『ataraxia』 (オリジナルプリント付き)を部数限定で販売予定です!
第33回木村伊兵衛写真賞受賞第一作として発表された写真集『ataraxia』(岡田敦・伊津野重美 著、青幻舎)が、『ataraxia [photo theater]』(iPhone / iPod touch アプリケーション)として、App Storeから全世界約80ヶ国で配信されることになりました。岡田敦が写真集『ataraxia』で表現した神秘的な“静”の世界と、音楽家・守時タツミによる美しい旋律が出会い、生まれた、幻想的な映像アプリ『ataraxia [photo theater]』。岡田敦、守時タツミの両氏を迎え、形の違うふたつの“アタラクシア”という作品に迫ってみる絶好の機会です。なお、イベント終了後に、写真集『ataraxia』 (オリジナルプリント付き)を部数限定で販売予定です!
□ 岡田 敦 ・ 写真家
1979年、北海道生まれ。2003年、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。2008年、東京工芸大学大学院博士後期課程修了、博士号取得(芸術学)。2002年、富士フォトサロン新人賞受賞。2008年、“写真界の芥川賞”といわれる木村伊兵衛写真賞を写真集『I am』(赤々舎)で受賞。2010年、受賞第一作目となる写真集『ataraxia』(岡田敦・伊津野重美)を青幻舎より刊行。海外からの注目も高い新進気鋭の写真家である。
□ 守時タツミ・音楽プロデューサー・ミュージシャン
キーボードプレーヤーとして音楽活動を開始。コンサートツアー、レコーディングから、アレンジ、プロデュースまでこなす。今まで関わったアーティストは、佐野元春、 ザ・ハイロウズ、Kinki KidsからClementineにまで至る。ベネチア映画祭招待作品『千年旅人』など映画音楽も手がける。2008年より「100年後の子供達へ」の思いでdecibelを立ち上げ、iTunes Store上で活動を展開する。“photo theater”など、企画、プロデュースを手がけ、高い評価を得ている。
- 2010/05/01(土) 00:00:02|
- 写真集「ataraxia」関連
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EXHIBITION & EVENT□ NADiff Window Gallery vol.5 岡田敦
展示期間:2010/03/10 wed - 3/31 wed
時間 12:00 - 20:00(無休)
場所:NADiff A/P/A/R/T 1F(03-3446-4977)
□ magic room ???
展示期間:3/10 wed - 3/18 thu
時間:CAFE TIME/14:00 - 19:00, BAR TIME/20:00-28:00
場所:NADiff A/P/A/R/T 4F(03-6408-9255)
■ 関連イベント/アーティストトーク
日時:3/17 wed 18:30 - 20:00
対談:岡田敦 × 大竹昭子
会場:magic room ??? (NADiff A/P/A/R/T 4F)
有料:500円
予約:青幻舎 → MAIL: iwaki@seigensha.com
お問い合わせ:NADiff a/p/a/r/t → TEL: 03-3446-4977
*「NADiff」&「magic room ???」
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F & 4Fhttp://www.nadiff.com/home.html
□ 青山ブックセンター 六本木店 ataraxia poster展
展示期間:2010/03/05 fri - 3/31 wed
営業時間:月~土・祝 10:00 ~ 翌朝5:00(日 10:00 ~ 22:00)
〒106-0032 東京都港区六本木 6-1-20 六本木電気ビル(1F)
- 2010/05/01(土) 00:00:00|
- 写真集「ataraxia」関連
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