写真家 岡田敦 - Office Okada | Official Blog

I kiss the world by taking the photograph

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

■ 第33回東川賞受賞作家寄贈作品展

okadaatsusho_2018_0108_72

第33回写真の町東川賞受賞作家寄贈作品展

【会期】 2018年1月10日(水)~1月30日(火)
【会場】 北海道<写真の町>東川町文化ギャラリー
【時間】 10:00~17:30・会期中無休
【料金】 200 円(町内100 円)

お問い合わせ:東川町写真の町課
〒071-1423 北海道上川郡東川町東町1丁目19番8号
TEL.0166-82-2111
FAX.0166-82-4704
E-mail:photo@town.higashikawa.lg.jp

東川町文化ギャラリー
http://photo-town.jp/index.html
 
 
スポンサーサイト
  1. 2018/01/09(火) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ 雑誌『スタジオNOW』インタビュー記事掲載 / 2018年1月号

写真家の活動を通じて社会が動いていくことの価値
作家の表現活動が写真業界の枠を超えて社会に広まっていく意義を考える

 2008年木村伊兵衛写真賞、2014年北海道文化奨励賞を受賞。写真家・岡田敦氏は、北海道・根室沖に浮かぶ無人島 “ 幻の島 ユルリ島 ” の撮影を続けている。その活動が評価され、2017年、第33回「写真の町 東川賞」特別作家賞を受賞した。岡田氏の活動を通じてユルリ島がふたたび歴史の表舞台に出はじめたこと、地域全体が歴史的社会的価値の気づきを得ていることなどについて伺った。


岡田敦_2018_0108_1


― 受賞理由の、ユルリ島での活動について。
イコールこいくんくんくんくんクンくんくん
岡田氏 「ユルリ島の野生馬」は、北海道・根室沖にある無人島に生息する野生馬を追ったシリーズで、2011年から撮影を始め、今年で8年目になる。ユルリ島には1950年頃、昆布漁の動力としてはじめて島に馬が持ちこまれたと聞いている。当時、漁師たちにとって馬は生活に欠かせない存在だった。その後、機械化の時代を迎えるとともに馬たちはその役目を終え、1971年に最後の漁師が島をあとにし、馬だけが島に残された。漁師たちは5年ごとに牡馬を入れ換えるなど島の馬の生態系を管理していたが、高齢化が進み、2006年に雄馬を島から引き上げ、雌馬だけが島に残ることになった。彼女たちは、いずれこの島で土に帰る。かつて地元新聞の記事でユルリ島を知った私は、歴史や自然を写真に残し、島から馬がいなくなった時、こうして作品として残すことによって社会的にも大きな意味をなすだろうとの思いで、上陸許可を求めた。ユルリ島は北海道の天然記念物に指定されており、通常では上陸することができないが、歴史を記録する趣旨で、根室市の委託というかたちで許可が下りた。私が初めて島に上陸した 2011年の夏には12頭いた馬は、2017年の夏には3頭まで減っている。冬場はマイナス15度にもなる厳しい環境のユルリ島は、遮蔽物がないフラットな地形。そのなかで馬たちは、野生動物と同じようにただ生きるために一日中草を食べ続ける。こうした馬たちの生の営みを写真に収めることは、消えゆく馬たちの命を見送ることでもあると考えている。たとえば、これまでユルリ島で命を紡いできた馬たちがいなくなってから、新たに別の馬を連れていっても、その後、島の馬の歴史を継承できるかというと、それは難しい。何十年もの時間のなかで、ユルリ島の馬たちはその環境で生き抜くすべを学び、そして子孫に継承してきた。水が湧く場所や厳冬期の餌(アイヌミヤコザサ)の探し方など。もともとは人間が教えたことを、馬たち自身が脈々と伝えてきたのだ。いま生きている3頭がすべて死んでしまったら、それを継承するルートが途絶えてしまい、新たに馬を放しても、生き延びら れないのではないだろうか。そんなユルリ島には、死んだ馬の屍も横たわっている。眠っているように見えるものから、白骨化したものまで。こうした生と死の営みに “ 美の本質 ” を見いだした気がした。生きている馬の姿だけが美しいのではなく、この島で生き、死んでいった馬たちの姿も同等に美しく、それも含めて大きな “ 自然 ” であり、歴史の遺産なのだと感じている。


― 根室でもいろいろと動きがあったようで。

岡田氏 私の作品や活動が新聞など各方面でとりあげられ、根室の人々がユルリ島の現状を知ることとなり、島の文化的価値、歴史的価値の再評価にもつながっているようだ。そうしたなかで、2017年5月、北海道中小企業家同友会くしろ支部根室地区会が公開シンポジウム「ユルリ島はどうあるべきか」を開催。その際のメンバーが中心となって「根室・落石地区と幻の島 ユルリを考える会」を同年9月に設立した。馬だけでなく、高山植物、海鳥などがバランスを保って美しい風景を構成しているユルリ島の素晴らしさ、歴史的文化的価値を見直す活動に取り組んでいる。“ 北海道 ” は命名されてからまだ150年しか経っていない。歴史や文化を継承する土壌はまだ成熟していないし、自然は当たり前に存在するものだった。だが、それらを守ってゆかなければという空気が少しずつ醸成されてきたのを感じる。その土地の自然や風土を守ることで、歴史・文化が継承され、それが地域の魅力となり、結果として観光に寄与することもあるだろう。まずは価値を見出すこと、発信することによって、文化的意義や歴史的価値をあらためて見直してゆくことが重要だと考えている。


― 根室に、岡田さんの作品を展示する施設をつくる計画もあるとお聞きしたが。

岡田氏 ユルリ島の魅力を発信するためのひとつとして、「根室・ 落石地区と幻の島 ユルリを考える会」がそうした施設の開設を目指している。私が昨年東川賞を受賞したことはこの上ない喜びだが、写真界の賞が業界を超え話題となり、一般社会に影響を及ぼすことなどそうはない。しかし、作品や活動がメディアを通じて発信され、地域社会が動き、このような会が設立されると、それがより大きな活動に変わってゆき、様々な可能性を生み出す。“ 社会がより豊かになること ”、それこそが芸術においてもっとも価値あることだと思っている。


岡田敦_2018_0108_2


※「スタジオNOW」2018年1月号より抜粋
 
 
  1. 2018/01/08(月) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ ドイツ雑誌『PHOTONEWS』/ 作品紹介

OKADAATSUSHI_PHOTONE

ドイツの雑誌『PHOTONEWS』で作品が紹介されました

『PHOTONEWS』
Dezember 2017 – Januar 2018

Die PHOTONEWS Ausgabe Dezember 2017 – Januar 2018 bietet reichlich Anregungen und Lesestoff für lange Winterabende. Dazu gehört natürlich ein Rückblick auf die Messe Paris Photo. Erneut nennen wir zu einzelnen Arbeiten Details zu Preisen und Auflagen. Um Geld geht es auch bei einem aktuellen Fall (Jörg Sasse) im Fotorecht, den Christiane Fricke vorstellt. Wie ein Fotounternehmen im 19. Jahrhundert funktionierte, macht Christoph Schaden in seinem Beitrag über das Unternehmen von Adolphe Braun deutlich. Im Kontrast dazu die 10. Folge unserer Reihe “Geld ist nicht alles…” mit dem Agentur- und Pressefotografen Carsten Koall sowie die neuen Wege der Agentur NOOR, die Gunda Schwantje beschreibt. Außerdem im Heft: Portfolios von Scarlett Hooft Graafland, Ryan Staley und Peter Zupnik +++ Besprechungen der Ausstellungen von Axel Hütte, der Biennale Foto/Industria …

http://www.photonews.de

★ Special Thanks:
Mr.Ulf E.Ziegler
Ms.Anna Gripp
 
 
  1. 2018/01/05(金) 12:00:00|
  2. 写真集「MOTHER」関連

■ 帯広美術館「FACE/わたしとあなた − アフリカン・マスクから舟越桂まで」出展

帯広美術館「FACE/わたしとあなた − アフリカン・マスクから舟越桂まで」に出展いたします
会期:11月25日(土) - 2018年2月25日(日)
会場:北海道立帯広美術館(帯広市緑ヶ丘2番地)
開館時間:9:30 - 17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日・休日に重なる場合は開館し翌平日が休館)、年末年始
観覧料:一般 800円、高大生 500円、小中生無料
出展作品:「I am」

http://www.dokyoi.pref.hokkaido.jp/hk-obimu/H29-leaf-ura.pdf

 
 
  1. 2017/12/19(火) 00:00:00|
  2. 写真集「I am」関連

■ HTBセレクションズ・ユルリ島の野生馬



■ ユルリ島での活動が「HTB YouTube Channel」にアップされました。

【HTBセレクションズ】

根室沖に浮かぶ無人島・ユルリ島。

かつてコンブ漁の番屋が並んでいたこの島で
動力として活躍した馬が残されて40年あまり。
いま、この島には野生化した馬が3頭残る。

この島の記録を残し続けるのは
稚内出身の写真家・岡田敦さん

島に残された馬はどうあるべきべきか。
島に植わる貴重な植物や生息する海鳥と
いった豊かな自然を守るには…。

そうして島はまた、冬を迎える。

https://www.youtube.com/watch?v=mNQm3bFte-E
 
 
  1. 2017/11/17(金) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ テレビ出演のお知らせ

岡田敦

HTB「イチオシ!」道東の秘境を追い続けた写真家
11月14日(火)18時15分頃〜

 
 
  1. 2017/11/14(火) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ 講演会「ユルリ島を語ろう」終了いたしました

講演会「ユルリ島を語ろう」終了いたしました。
ご来場ありがとうございました。


『北海道新聞』2017年11月06日掲載 ユルリ島の魅力伝える 写真家岡田さん講演
『根室新聞』2017年11月07日掲載  写真家岡田さんユルリの魅力 考える会設立記念講演で
『釧路新聞』2017年11月08日掲載  ユルリ島の価値共有を 写真家・岡田さん講演

岡田敦_1111c

岡田敦_1111b

岡田敦_1111a
 
 
  1. 2017/11/11(土) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ 『根室新聞』2017年11月01日掲載

岡田敦_s


『根室新聞』2017年11月1日掲載
幻の島ユルリを考える会・5日に設立記念講演

「根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会」(田嶋靖照会長)の設立記念講演会が、5日午後4時から根室商工会館で開かれる。講師には、6年間にわたってユルリ島の野生馬を記録している写真家の岡田敦さんを迎える。

 同会は落石の文化や自然、野鳥と高山植物と野生馬が共生するユルリ島の歴史と価値を発信して、保全と地域振興につなげていこうと、9月28日に設立総会を開いて発足した。

 講師の岡田氏は、北海道生まれの写真家で、平成20年に木村伊兵衛写真賞を受賞。同23年から根室市の委託によりユルリ島の野生馬を撮影しており、今年3月には中小企業家同友会くしろ支部根室地区会の招きで講演。約100人の聴衆が詰め掛けるなど高い関心を集めた。その後、一連の撮影活動が高く評価され、今年の東川町国際写真フェスティバルで特別作家賞を受賞している。

 今回の講演は会の設立記念と岡田さんの同賞受賞を記念して企画した。「ユルリ島を語ろう 写真と映像が伝えること」をテーマに、ユルリ島の魅力や価値を市民に知ってもらう機会とする。考える会は市民多数の聴講を歓迎している。
 
 
  1. 2017/11/02(木) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ 講演会「ユルリ島を語ろう 写真と映像が伝えること」

岡田敦_ユルリ島_1029

<根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会>設立記念

一人の写真家が言いました。
「根室は、素晴らしいところです」

知りませんでした、厚床が東洋一の馬市だったことを。
気づきませんでした、すぐそこに貴重な高山植物が咲いていることを。
意識していませんでした、ユルリ島なんて。

大事なことは知ることでした、根室を広めるために。
私たちは「ユルリ島」を学び、考えます。



日時|2017年11月5日(日)開場15:30・開演16:00
場所|北海道根室市・根室商工会館
主催|根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会
お問い合わせ|Mail: yururi.island@gmail.com

岡田敦|北海道生まれ、写真家、芸術学博士。大学在学中に富士フォトサロン新人賞を受賞。08年に“写真界の芥川賞”と言われる木村伊兵衛写真賞を北海道出身の写真家として初めて受賞する。14年には史上最年少で北海道文化奨励賞を受賞するなど、海外からの注目も高い新進気鋭の写真家である。また根室市からの委託により2011年からユルリ島の撮影を続け、今夏には東川賞特別作家賞を受賞。根室の魅力を発信し続けている。
 
 

テーマ:北海道 - ジャンル:地域情報

  1. 2017/10/29(日) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ 写真展「ユルリ島の野生馬」巡回展 in 札幌

#okadaatsushi_1018

第33回写真の町東川賞特別作家賞受賞 岡田敦写真展

2007年に「写真界の芥川賞」と呼ばれる木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家・岡田敦。
今年、東川賞を受賞したのを記念し、根室半島沖のユルリ島に生息する野生馬を撮影した写真展を札幌で開催します。

期間:2017年10月18日(水)~ 2017年10月30日(月)
時間:10:00~19:00
定休:火曜日
場所:新さっぽろギャラリー
住所:札幌市厚別区厚別中央2条5丁目6-3 デュオ2 5階
料金:無料
お問い合わせ:090-9439-7921(担当・花田)
email : gallery@arc-city.com
HP:新札幌ギャラリー

会場での展示作品の販売はしておりませんが、ご購入をご希望の方は下記メールアドレスまでお問い合わせください
tashiro@okadaatsushi.com
担当・田代
 
 
  1. 2017/10/18(水) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ 写真家・岡田敦「写真の町東川賞 2017」特別作家賞受賞記念特集

#okada atsushi_1009

東川賞受賞記念・特別インタビュー掲載
http://www.depacyo.com/jsp/event/interview/report_okada/okada_higashigawasho2.jsp
 
 
  1. 2017/10/09(月) 00:00:00|
  2. 写真集「1999」関連

■ 『北海道新聞』2017年9月30日掲載

幻の島・ユルリの魅力発信・市民有志が「考える会」

 根室市落石地区昆布盛の沖に浮かぶ無人島ユルリ島の魅力発信を目指す市民有志の集まり「根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会」が28日夜、設立された。馬、高山植物、海鳥―の三者がバランスを保って美しい風景を維持しているユルリ島の素晴らしさを、市内外に伝える活動に取り組んでいく。

 ユルリ島は昆布盛沖2.6キロの太平洋に浮かぶ周囲7.8キロの台地状の小島で、落石漁協が所有する。島の一部はエトピリカなど海鳥の繁殖地として道の天然記念物に指定され、一般の人は上陸できない。

 1950年ごろ、コンブを島に運び上げるため漁業者が馬を持ち込み、71年に人が島を引き揚げると残された馬は野生化した。多い時に30頭ほどいた馬は現在3頭を残すのみだ。

 市の委託を受け2011年から毎年島の調査を続ける写真家岡田敦さん(38)=稚内市生まれ=が今年3月に市内で初めて講演。馬が草を食べることで花々が濃く咲く島の様子を映像と写真で紹介し、市民の反響を呼んだ。

 考える会は、岡田さんの調査に毎回同行する早川昭貴彦さん(マルコシ・シーガル会長)が発起人代表となり、岡田さんの調査報告でユルリ島の魅力を知った自然愛好家ら12人で発足。28日のイーストハーバーホテルでの設立総会で早川さんは「ユルリ島の価値を根室の振興に生かしたい」と述べ、会長に選ばれた同ホテルゼネラルマネジャー田嶋靖照さん(46)は「知れば知るほど宝の島。多くの人に魅力を伝えていく」と抱負を語った。

 会は情報発信に加え勉強会を通し島の保全の具体策を考えていく。インターネットで寄付を集め、落石地区に岡田さんの作品を鑑賞できる施設の開設も目指す。会員も募集中だ。


岡田敦_0930_72
 
 
  1. 2017/09/30(土) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ ユルリ島を考える会

「根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会」が設立されました

#岡田敦_0929_72


「釧路新聞」2017年09月27日
鳥、馬、島の魅力発信・ユルリを考える会設立

 「根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会」が発会することになった。北海道の天然記念物にも指定されているユルリ島と特異な景観を見せる落石地区の魅力・文化的価値を発信、根室地域の魅力を高めることが狙い。設立総会は28日夜に予定し、10月には記念の講演会を開くとともに本格的な会員募集をスタートさせたい考えだ。
 (中略)同会は「落石の景観とユルリ島の特性を生かし、野鳥、高山植物、野生馬が絶妙なバランスで共生する島の文化的な価値を見直すことは地域の魅力を高める可能性がある。多くのネットワーク活動を通し、行政と地域住民が協力、知恵を出し合う場にしたい」としている。
 
 
  1. 2017/09/29(金) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ 北海道新聞に寄稿しました

北海道新聞(9月22日朝刊・金曜)に寄稿しました

ご意見・ご感想は下記のメールアドレス宛にお寄せください。頂いたご意見・ご感想は、個人情報をふせ、ユルリ島に関わる活動でご紹介させて頂く場合がございますので、あらかじめご了承ください。

Mail: message@okadaatsushi.com

#岡田敦 3


北海道新聞(9月22日朝刊・金曜)

 北海道根室半島沖に浮かぶユルリ島には、かつて昆布漁の労力として島に持ち込まれた馬の子孫が、無人島となったいまでも生きている。多い時には約30頭の馬が生息し、給餌を受けず、交配や出産は自然にまかされた。家畜としての役割を終え、島で自由に生きる馬の姿を見て、人はこの島を「馬の楽園」と呼んだ。エトピリカやケイマフリが囀り、立擬宝珠(タチギボウシ)や釣鐘人参(ツリガネニンジン)などの白花品種が咲き乱れる。貴重な生態系の中で命を紡ぎ、島の環境に順化してきた馬たちは、根室の歴史や風土が生みだした文化遺産とも言える。しかし2006年、元島民たちの高齢化もあり、牡馬が島から引き揚げられ、馬はやがて消えゆく運命となった。根室の昆布漁や馬産の歴史を振り返った時、その象徴的存在だったユルリ島の馬も、今年の初夏には3頭にまで減ってしまった。

 日本の馬の歴史を調べていた時、北方領土でかつて日本人に飼われていた馬の存在を知った。その馬は「千島馬」と呼ばれ、戦前の北方領土で自然放牧されていたという。冬になると馬は山間部の森林内でも生息し、餌がなくなると海岸に打ち上げられた昆布や魚を食べていた。その頃の北方領土は馬産地としても知られ、根室を合わせれば13,000頭もの馬がいたという。当時は漁師も馬を飼い、昆布を運ぶのも、舟を引き上げるのも馬だった。しかしロシアに占領されてからは、千島馬は食料化され減ってしまったらしい。
 千島馬の始まりは、漁場を求めて北方領土に渡った人たちが、漁を終え引き揚げる際、使役のために連れていった馬を原野に放ったことだと言われている。冬の間に森で野生化した馬たちは、翌年また漁に訪れた人たちに使役され、新たに連れてこられた馬と共に、漁が終わると再び原野に放たれた。越冬し生き延びた強い馬は、世代を重ねながら島の環境に順化し、やがてこの土地に適した耐寒性のある頑健な馬が誕生した。“自然に打ち克つことのできる、強い馬でなければ生き残れない”という環境の中で、馬は時代や人間に翻弄された生き物のようにも映るが、日本在来馬のように、千島馬もまたこの地域の歴史や風土を伝える文化的所産のように思う。

 今年5月、北方四島交流事業で国後島に行く機会を得た。初めて見る国後島の景色は、遠い過去の日に目にした風景を辿るようで懐かしかった。河原で馬の親子が草を食んでいる。柵で囲われているわけでも、逃げないようにロープで繋がれているわけでもない。所有者がいるのかも分からない馬と何度もすれ違った。かつて北海道でもこうした光景が広がっていたのだろう。
 視察先の図書館や博物館で、千島馬のことを尋ねた。ロシア人の男性が「日本人が出ていった後、多くの馬が島に残された。大きくて強い、重量のある馬だった」と教えてくれた。「千島馬の子孫はまだ生きているだろうか」と聞くと、「国後では特別な繁殖は行われず、馬は不規則な交配を続けた。だから私は、日本の馬の血が、国後の馬に残っていることを疑わない」と彼は答えた。そして「機械化が進む中で、国後の馬は急速に減少していった」と続けた。
 「culture」という言葉は、「耕す」を意味するラテン語「colere」に由来する。「土地を耕す」ことが「心を耕す」ことに転じ、「文化」という意味を持つようになったのだろう。その土地の歴史や風土、あるいは将来に受け継ぐことのできる文化であっても、それを耕し、育てなければ、気づかぬうちに失われてしまうものもあるのだろう。
 国後の河原で草を食んでいた馬の親子は、千島馬だったのだろうか…。やがてなくなってしまうのかもしれない光景を思い、いま改めて「文化」というものを考えている。




ユルリ島 ウェブサイト
http://okadaatsushi.com/yururi_island.html

ユルリ島 YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com
 
 

テーマ:北海道 - ジャンル:地域情報

  1. 2017/09/26(火) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連

■ Online Shop に新しい商品を追加いたしました

okadaatsushi_0919b

Online Shop にユルリ島のオリジナルプリントを追加いたしました


・OFFICE OKADA【BASE】
https://okadaatsushi.thebase.in

・OFFICE OKADA【SPIKE】
https://spike.cc/shop/okadaatsushi

*運営上の都合で同じ商品でも【SPIKE】の方がお求めやすい価格になっております。【SPIKE】はご購入時にアカウント登録が必要です。【BASE】は登録の必要がございません。
 
 
  1. 2017/09/19(火) 00:00:00|
  2. Online Shop

■ 岡田敦写真館

不定期でおこなってきた写真館の受付方法が変わりました

岡田敦_0919

撮影をご希望の方は下記メールアドレスまでご連絡ください。
shop@okadaatsushi.com

詳しくはホームページをご覧ください。
http://okadaatsushi.com/okadaatsushi_photostudio.html
 
 
  1. 2017/09/18(月) 00:00:00|
  2. Online Shop

■ ARTIST IN RESIDENCE at TSURUI, AKAN

選考委員を担当させて頂く【ARTIST IN RESIDENCE at TSURUI, AKAN プロジェクト】の応募の締め切りが迫ってまいりました
2017年9月30日(木)必着です


okadaatsushi_01s_201709182247019d5.jpg

本企画は、「創作者と地方を結び、その接点からインスピレーションを受けた創作者が自由に作品を創作し作品を残す」ことを目的としたARTIST IN RESIDENCEプロジェクトです。

公募から選考された写真家は1年間地方(北海道阿寒郡鶴居村)で生活します。その滞在の中で、日々生活し、村民と交流しながら、創作活動を行います。滞在1年後には滞在成果である写真集を出版いたします。

滞在先である鶴居村は明治期から入植者により開拓された、南部の釧路湿原を含む東京23区とほぼ同じ面積の広大な村です。人口は2,500人ほど。その名からわかるように、特別天然記念物の丹頂鶴が生息し、酪農業が主産業であり、牧草地が広がる自然豊かな北の大地です。その自然や環境は創作者の想像力を刺激し、国内外のカメラマンが撮影観光で訪れています。

こうした村の特徴を踏まえ、1年間という長期滞在を前提としたAIRプロジェクトを企画しました。地域で暮らし、制作活動を行うことで「地域と制作者の出会いから、創造的な作品が生み出される」ことを期待しています。プロ、アマチュア問わず多くのカメラマンの応募を、お待ちしております。

公式HP: http://airtsurui.wixsite.com/air2018

__________________________________________

■ 企画名:AIR at TSURUI.AKAN プロジェクト

■ レジデンス実施期間:2018年3月1日~2019年2月28日(原則として1年間)

■ 滞在地:北海道阿寒郡鶴居村内

■ 本企画対象者:学生、フリー及びプロカメラマンなど3名(男女、国籍問わず)

■ 年齢制限:50歳以下 *但し、応募の上、選考があります(後述参照)

■ 申込締切:2017年9月30日(木)必着

■ 決定時期:2017年11月31日(火) *決定後、応募者にEメールにて通知いたします。

■ 応募者選考員:
 三浦 展(社会デザイン研究家、東京在住)
 岡田 敦(写真家、木村伊兵衛写真賞受賞、北海道出身、東京在住) 
 和田正宏(写真家、日本写真家協会会員、本村在住)
 松井和哉(本プロジェクト実行委員会代表、編集者、本村&東京在住) 

■ 主催団体:AIR at TSURUI,AKANプロジェクト実行委員会

■ 後援:鶴居村役場、釧路新聞社

■ 応募・問い合わせ先:東京都大田区東雪谷1-2-3-703(東京支部)
 mail:gonmatsu4891@gmail.com

__________________________________________

■ プロジェクト提供:
①1年間の住居(家賃は無し。シェアハウスの可能性もあり。水光熱費、生活費自己負担。主催団体及び村よりアルバイ先の斡旋可能性あり)
②参加者それぞれの写真集を出版(出版時期は半年から1年後)
 *プロジェクト参加と終了時の交通費は自己負担

■ その他条件:
・英語か日本語で会話できること
・期間中、鶴居村で創作活動を行うこと          
・1年間の撮影作品は撮影者に帰属(ただしプロジェクト・写真集の宣伝等に使用する場合は、撮影者に確認後使用。プロジェクト後、ポスター等村の企画に使用する場合は、使用料をお支払いたします)
・村民への芸術文化に触れる機会の提供又は村民との交流を目的とした活動の実施(随時)
・期間中、主催団体あるいは村の提供する住居・施設を使用し創作活動を行うこと
・応募手続き:公式ホームページをご覧下さい

■ 応募方法及び必要書類:
・Eメールにてご応募ください(応募アドレス: gonmatsu4891@gmail.com )
・必要情報を明記した応募用紙
・作品の画像データ:10点以上(ファイルはjpg、解像度は72dpi、サイズは最大2,000pixel程度まで)
 *ファイルは次のように整理し、応募用紙内の番号に対応させること(例:鶴居_1.jpg、鶴居_2.jpg、…)
・創作活動の経歴書:A4またはレターサイズのPDF2ページ以内​
 *Eメールの件名を「AIR TSURUI,AKAN 2018」と明記してください
 *応募書類の返却のご希望には一切応じることはできませんので、ご了承ください。選考されなかった理由等の問い合わせには、お答えできません。応募いただいた内容は、本プロジェクト以外の目的には決して使用いたしません。

■ 滞在期間外の活動:1年間の滞在後、写真集編集のためのメール交換、編集会議出席等(場所、時期は未定)

■ プロジェクト作品の発表:滞在終了後、当主催団体より各人1冊の写真集を発行(カラーorモノクロ。部数、判型、流通形態は未定ですが、アート系書店、一般書店での販売も検討しております)。
著作権は作家に帰属。増刷に関しては撮影者印税が支払われます。作家寄贈として写真集(部数未定)を無償提供。(作品のギャラリー展示等も検討しております)

■ 写真集について:写真集(撮影テーマ)については、自由です。いただいた撮影テーマを、居住後に変更されてもかまいません。撮影対象は、本村で撮影できるもの全て。中央(東京あるいは札幌)から遠く離れた地域の営みが、人口減少・高齢化・経済格差などに直面する日本に対し、「オルタナティブな何か」を提案できればと考えております。写真集作成にあたり、写真集のテーマ、掲載する写真の選定やストーリーについては選考された写真家と協議して編集していきます。ただし最終的な編集権は主催者側にあります。写真集のはタイトルと写真家名の銘記となる予定です。

■ 公式HP: http://airtsurui.wixsite.com/air2018
 
 
  1. 2017/09/12(火) 00:00:00|
  2. その他

■ 『朝日新聞』2017年08月23日掲載

ほっかいどうアート紀行
消えゆく馬を捉える岡田敦(根室)


 根室沖に位置するユルリ島では、かつてコンブ漁で使役された馬の群が野生化して生息している。写真家、岡田敦は、年を追ってその数を減らし、姿を消しゆく馬たちの姿を北海道の歴史と文化の証しとして撮影を続け、今年の第33回写真の町東川賞特別作家賞を受賞した。

 岡田の作品は人物や事物に対しおしなべて距離感をとり捉えた描写で、客観的な印象を持たせると同時に、対象の存在全てを肯定するかのような映像が特徴だ。マイナス20度の酷寒の中でも、馬たちの姿は柔和に表現されている。

 また、東川賞のもう一つの受賞理由となった写真集「1999」にも馬の姿が多く見られる。こちらは岡田が育った札幌郊外のニュータウン近傍で放牧されていた馬を、前世紀の末に撮影したものだ。大都市郊外の、風土と歴史をとどめる光景と、それらとは隣接しながらも断絶するかのように広がる人工的な都市空間という異質なもの同士が併存する環境は、作者がすべてのものに対して等しくまなざし向け関心を持つ契機となったのだろうか。


 (福地大輔・釧路芸術館)


■ ほっかいどうアート紀行
http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20170823011560001.html
 
 
  1. 2017/08/24(木) 00:00:00|
  2. 新聞掲載

■ 第33回東川賞受賞作家展



第33回東川賞受賞作家展のお知らせ

第33回東川賞受賞作家展にて、2011年から撮影を続けているユルリ島の作品を展示いたします。
2011年に12頭いたユルリ島の馬は、現在残り3頭となりました。
1951年から65年以上もの間続いてきたユルリ島の馬の歴史は、いま静かにその幕を下ろそうとしています。
かつて“馬の楽園”とよばれたユルリ島。是非この機会にご覧いただけると幸いです。

写真家 岡田敦



■ 第33回写真の町東川賞受賞作家展
【会期】 2017年7月29日(土)~8月30日(水)
【会場】 北海道<写真の町>東川町文化ギャラリー
【時間】 10:00~17:30・会期中無休
     *7月29日は15:00~21:00、最終日8月30日は10:00〜15:00
【料金】 200 円(町内100 円、7月29日、7月30日は無料開放)


■ 東川賞関連イベント
・7月29日(土)
 14:00~14:30 授賞式(会場:東川町農村環境改善センター・大ホール)
 15:00     テープカット(会場:東川町文化ギャラリー)
 15:30~17:00 受賞を祝う集い(レセプション)
・7月30日(日)
 13:00~17:30 受賞作家フォーラム/会場:東川町文化ギャラリー
 [パネラー]東川賞受賞者、東川賞審査員、ゲスト
 *展示された写真を前に東川賞受賞作家を囲み、創作の秘密、制作のコンセプトなどについての話しを聞くとともに、写真についての多面的なディスカッションを行います。


お問い合わせ:東川町写真の町課
〒071-1423 北海道上川郡東川町東町1丁目19番8号
TEL.0166-82-2111
FAX.0166-82-4704
E-mail:photo@town.higashikawa.lg.jp
 
 
  1. 2017/07/29(土) 00:00:00|
  2. 展覧会情報

■ 『北海道新聞』2017年06月08日掲載

岡田敦s
 
 
  1. 2017/06/09(金) 00:00:00|
  2. 作品「ユルリ島」関連
次のページ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。